ペットの下痢の原因とは?
ペットの「下痢」は、とてもよくある症状ですが、原因はさまざまです。大きく分けると、次のようなグループになります。
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食事が原因の下痢
フードを急に切り替えた
おやつのあげすぎ、脂っこいもの・人間の食べ物をあげた
賞味期限切れ・保管状態不良によるフードの劣化
アレルギーや食物不耐性
急なフード変更や、人間のおかず・乳製品・脂肪分の多いおやつは、腸に負担をかけて下痢の引き金になります。
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細菌・ウイルス・寄生虫などの感染症
細菌:サルモネラ、カンピロバクター、大腸菌の一部(腸管出血性大腸菌 など)
ウイルス:パルボウイルス、コロナウイルス など
寄生虫:回虫、鉤虫、コクシジウム、ジアルジア など
こうした病原体が腸に感染すると、強い炎症が起こり、水のような便や粘液・血液が混ざった便になることがあります。
ペット検便で検査できる「サルモネラ」「腸管出血性大腸菌」や寄生虫卵なども、このグループに含まれます。
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ストレスや環境の変化
引っ越し、ペットホテル、家族構成の変化
雷や工事音など大きな音
新しいペットを迎えたときの緊張
犬や猫もストレスで腸の動きが乱れ、一時的な下痢を起こすことがあります。
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誤食(異物や毒物)
おもちゃや布、ビニール、紐などの異物
タマネギ・ネギ類、チョコレート、キシリトール入り食品などの中毒物質
植物・農薬・洗剤など
誤食は命に関わる緊急事態になることがあり、下痢だけでなく嘔吐、ぐったりする、腹痛などを伴うことが多いです。
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慢性疾患や内臓の病気
慢性腸炎(炎症性腸疾患)
膵炎・膵外分泌不全
肝臓病・腎臓病・内分泌疾患(甲状腺、副腎など)
腫瘍(がん)
高齢のペットや、何度も下痢を繰り返す場合には、こうした慢性疾患が隠れていることもあります。
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年齢や体質によるもの
子犬・子猫は免疫が未熟で、軽い刺激でも下痢しやすい
シニアでは消化吸収力が落ちて下痢・軟便が続くことがある
もともとお腹が弱い体質の子もいる
同じフードでも、ペットによって合う・合わないがあるため、体質に合った食事選びも重要です。
お家でできる対処法は?
まずは「様子を見てよい下痢」か「すぐに病院に行くべき下痢」かの見極めが大切です。
すぐに動物病院へ行くべきサイン
以下のような場合は、自宅対応にこだわらず、受診を優先してください。
ぐったりして元気がない、立てない
何度も嘔吐する、水も飲めない
真っ赤な血便、大量の粘液・ゼリー状の便
24時間以上続く激しい水様便
子犬・子猫、高齢、持病がある子の下痢
異物や毒物の誤食の可能性がある
高熱がある、強いお腹の痛みがありそう(触ると嫌がる など)
これらは脱水やショック、内臓の重い病気につながる危険があります。
自宅で様子を見てもよいケース
次のような条件がそろっていれば、半日〜1日程度は自宅で経過観察をしてもよい場合があります。
少し軟らかい〜泥状だが、水のようではない
元気・食欲はほぼ普段通り
嘔吐がない、または1回だけでその後落ち着いている
血は混じっていない
子犬・子猫や重い持病のない成犬・成猫
そのうえで、次のようなケアがおすすめです。
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食事を一時的に控える・減らす
4〜12時間ほど、食事量を減らすか、短時間の絶食を検討
水は基本的に切らさない(ただし嘔吐が続く時は少量ずつ)
腸を一度休ませることで、回復を助けます。長時間の絶食は子犬・子猫では危険なので、年齢と状態に応じて調整が必要です。
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消化の良い食事に切り替える
ウェットタイプの胃腸にやさしいフード
動物病院推奨の療法食
獣医師に相談のうえでの手作り食(鶏むね肉+おかゆ など)
いきなり元のフードに戻さず、数日かけて徐々に切り替えると再発を防ぎやすくなります
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こまめな水分補給
新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく
スポイトやシリンジで少量ずつ与える方法もある(ただし誤嚥に注意)
夏場や子犬・子猫、高齢ペットは脱水になりやすいので特に注意
下痢がひどいときは、電解質を含む補液が必要になることもあり、動物病院での点滴治療が有効な場合もあります。
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便の状態を記録する
回数、量、色、形状(泥状、水様、粘液混じり など)
血液や異物の有無
においの変化
スマートフォンで便の写真を残しておくと、獣医師に相談する際の大きな手がかりになります。
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自己判断で人間用の薬を使わない
市販の下痢止め、人間用の整腸剤、漢方などは自己判断で与えない
用量・成分により、かえって悪化させる危険があります
薬が必要かどうか、どの薬を使うかは、必ず獣医師の診察のうえで判断してもらいましょう。
お家でできる予防法は?
下痢は「起こってから対処」するより、「起こさない工夫」を積み重ねることが重要です。
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食事管理を整える
フードは急に切り替えず、1週間ほどかけて少しずつ新旧を混ぜて移行する
人間の食べ物や高脂肪のおやつを与えすぎない
賞味期限と保管状態(直射日光・高温多湿)を守る
年齢・体質・持病に合ったフードを選ぶ
特にお腹の弱い子は、脂肪分が控えめで消化のよいフードを選ぶと、下痢のリスクを減らせます。
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ワクチン・寄生虫予防をきちんと行う
年齢・生活環境に合ったワクチン接種
ノミ・ダニ・フィラリアなどの定期予防
寄生虫(回虫・鉤虫・コクシジウムなど)に対する定期的な検査
下痢の原因となる感染症の多くは、予防や早期発見でリスクを大きく下げることができます。
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誤食を防ぐ環境づくり
小さなおもちゃ、紐、ビニール、ボタン電池などを床に置きっぱなしにしない
ゴミ箱はフタ付き・倒れにくいタイプにする
キッチンに入れない工夫(ベビーゲートなど)
「うちの子は大丈夫」と思わず、誤食そのものが起きない環境づくりを心がけましょう。
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ストレスを減らす工夫
規則正しい生活リズム(食事・散歩・遊びの時間)
静かで落ち着ける「安心できる居場所」を用意する
環境の大きな変化(引っ越し・模様替えなど)のときは、徐々に慣らす
敏感な子ほど、ストレスが腸に出やすくなります。心と体の両方のケアが大切です。
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定期的な健康チェックと「検便」
ペットの腸内は、見た目だけでは状態を判断しにくい部分です。
そのため、年に1〜2回程度の健康診断
子犬・子猫の成長期や、新しく迎えたペットの検査
下痢を繰り返す子の原因探し
などで、定期的な「検便」を取り入れると安心です。
「ペット検便.com 」では、お家から便を送るだけで、
細菌(サルモネラ、腸管出血性大腸菌 など)
寄生虫卵(イヌ回虫・ネコ回虫など)
といった、人とペットの健康に関わる病原体のチェックができます。
日常の下痢の原因を探るだけでなく、「今は元気だけれど、本当に大丈夫かな?」という不安の解消にも役立ちます。